wind

statement

冷たい冬の風が吹いている

通りを歩いていると、青色でもなく緑色とも言い難い綺麗な色をしたシャッターがあり、その前には縦縞の布が垂れ下がっていた

縦縞の布は風に吹かれて少し揺れたかと思えば、一瞬の風に乗って靡いていた

太陽の光に照らされたシャッターは、美しい光と影を生んでいた

冷たい冬の風が吹いている

光と影

縦縞の布は揺れ幅を変えながら風に靡いている

statement

心はどこにあるのか。

この不安や悩みはいつ晴れるのか。

どこまで歩けばたどり着けるのか。

前をみてもいつも同じ景色ばかり。

雨はいつ止むだろうか。

頭の中に一つのイメージが浮かんだ。

白い花。それはどこか不安定で赤い物体に吸い寄せられるように消えていこうとしている。

文章が現れる。その横には白い花の断片が存在している。

心は考えている。

白い花のように消えていってしまいそうな気持ちを抑えながら、心は考えている。

イメージは心の中のさらに奥にある秘密の場所と繋がっている。そこには私が欲している全てがあるけれど、そう簡単には教えてくれなさそうだ。

雨がしとしと降っている。

悶々としながら心は考えている。

green space

statement

2枚の写真を見て緑の空間を想像してください。

緑の空間には沢山の植物が生きていて、葉はとても青々としています。

そこには太陽の光が降り注ぎ、それはあなたにも降り注いでいます。

爽やかな風があなたと緑の空間を通り過ぎていきます。

緑の空間には時間が流れています。それをあなたは感じてください。

color

statement

色は混ざり合いながら植物の存在によって変化していく。

色は自由自在に私たちの心を動かしていく。

混ざり合う色は境を定めずにゆっくりと調和していく

空間-伏見白赤稲荷大神の話

statement

その一

伏見白赤稲荷大神があることをネットで知ったとき、妙に引かれる自分がいた。普段は一人で山を登るなんて考えられないのに、『何がなんでもここに行かないと!』という気持ちにかられた。

その二

山を登り始めると近くで草木が動く乾いた音がした。私の不安は大きくなるばかりだったがこの日はとても天気がよく、太陽の光で山の草木はキラキラと輝いていた。私は不安を抱きつつもこの光の中を登っていくことにした。

その三

鳥居が連なっている道を歩くのは初めての体験だった。空気と光が何故だかとても心地よかった。山を登り始めたときの不安はすでになく、山道を歩いていると自分の気持ちが高鳴っているのを感じた。

その四

山頂の社殿の脇にちょっとした空間があって、太陽の光と草や木が調和していた。私はそこに足を踏み入れることはなく、この空間に存在する光や草木の様子を穏やかな気持ちで眺めていた。

人の気配を感じないのは何故だろうか。私は清らかな自然の中に神聖な存在を感じた。

commentary

1枚目は山を登り始めてすぐに出会った場所です。太陽の光で草木がとてもキラキラしていました。写真だけを見ると稲荷神社に吸い込まれるような道なりになっています。この日はあちこちで草木の乾いた音がしていたので、正直とても怖くて不安な気持ちでいっぱいでした。

2枚目は参道を歩いている途中で撮影しました。空気は気持ちよく、心地良い光で鳥居が生き生きと建っていました。朽ち始めている鳥居と光が相まって神秘的な雰囲気を醸し出しているかのようです。

3枚目は参拝をした後に、社殿の脇にちょっとした空間を見つけました。そこは静かで穏やかな空気が流れており、眺めているだけでも自分の気持ちがゆったりしてきました。ここには人の気配はなく、逆に自然そのものが存在していて神聖さを感じました。

今回は3枚目の写真に空間を感じました。こちらの稲荷神社の本来持っているエネルギーを光や草木を通して感じたのだと思います。

一見何もない場所に見えない存在がいて、もしかしたらそれは私たちに話しかけているかもしれません。あるいは誰かのテリトリーであり個人の空間であるからこそ、そこにしかない時間の流れや空気が存在するのかもしれません。私はほんのひと時の間、この空間に神様の存在を感じたのでした。